ギャンブル依存症とはどんな病気?gambling addiction
どんな病気?
ギャンブル依存症になると、日常生活をおくるなかで、ギャンブルのことがよく頭に浮かんできたり、ギャンブルをしていないと、“ギャンブルをしたい”という気持ちがどんどん大きくなって、その気持ちが抑えられなくなったりします。その結果として、本人に加え、家族等の身の周りの方の生活にも悪影響を及ぼすようになります。
ギャンブル依存症は約100人に5人の割合で存在し、決して珍しい病気ではありません。適切な支援や治療を受けることで、失ったものを取り戻し、回復することができます。
ギャンブル依存症は病気と認められにくく、本人の意志や性格の問題で自己責任と思われがちです。しかし、実は、ギャンブルにはまる「依存症」は、ギャンブルしか楽しめなくなったり、目先の快楽に飛びつきやすくなったりする、自分の意志では止められない脳の仕組みが出来上がっているのです。
ギャンブル依存症チェック
どちらかひとつでも“はい”であればギャンブル依存症の可能性があります。
- ギャンブルにつぎ込んだ金額について、あなたにとって重要な人物に嘘をついたことがありますか
- かけ金を増やしてギャンブルをしたいと感じたことがありますか
特徴
よく見られる特徴として、主に以下のようなことが挙げられます。
- ギャンブルをしていないときでもギャンブルのことが頭に浮かんでくる
- やめたい”、“減らしたい”と思いながらもギャンブルをしてしまう
- 負けた分を取り返そうとする
- かけ金がどんどん増えて、借金するまで賭けてしまう
- ギャンブルへの、のめり込みを隠すために嘘をつく
- 負けて後悔するが、ギャンブルをやめられない
様々な問題
ギャンブル依存症になると以下のような問題が起こりやすくなります。
治療について
依存症が進行すると、「ギャンブルを適度に楽しむ」ということが難しくなります。そのため、ギャンブル依存症の治療は、原則として、今後の生活においてギャンブルなしの生活を送ることを目指します。ギャンブルなしの生活を続けることで、周りからの信頼を取り戻すことができます。
ギャンブルにはまると、状況が悪化すればするほど、「問題解決のため」、「借金返済のため」、「嫌な気分から解放されるため」、ギャンブルに走り、さらに問題が大きくなります。この悪循環を断ち切るために、いろいろな対処法を身に着けていきます。これは認知行動療法と呼ばれ、ギャンブル依存症から回復できる最も効果的な方法のひとつです。
当院では、集団で行う認知行動療法を実施しております。認知行動療法は、お仕事をされている方も参加しやすいように毎週土曜日に行っております。また、生活リズムが崩れている方には、継続的なデイケアの利用が可能となっています。
ご家族の方へ
ご家族の存在が、ギャンブル依存症からの回復に良い影響を与えます。ご家族が本人をサポートしてくれるからこそ、安心して治療を受けることができるのです。
ギャンブル依存症は、一度治まっても、再発することが多いですが、必ず回復します。ご家族を大切に思っていないからギャンブルを続けるのではありません。ご家族がこの病気の特徴を理解することは回復の大きな鍵となります。ご家族ができることとして、具体的には「ギャンブル依存症は意志や性格の問題ではないことを知る」「借金の肩代わりをしない」「お金を貸さない」「相談できる機関に連絡をする」「家族会に出る」などが役立ちます。
本人が病院に来たがらない場合には、まずはご家族だけで相談に行きましょう。当院では、ご家族のみの来院も受け付けております。ご家族の被害を最小限にする方法をともに考えていきましょう。