ホーム


院長ご挨拶


看護部から


病院概要


交通アクセス


入院&診療案内


治療プログラム


デイ・ケア


グループホーム


アルコール依存症


薬物依存症


作業療法

自助グループ


家族会


求人案内


医療法人十全会


リンク





アルコール依存症やその治療の基礎知識や流れ、アルコール依存症に関する相談が出来る専門病院の検索、および情報提供を目的としたサイトです

薬物依存症とは

薬物依存症について


 薬物依存症とは、ある薬物を使うことが他の何よりも優先される状態を言います。
 薬物を使うパターンには、魅力的な効果(気持ちいい、落ち着く、やせるなど)を期待する場合と、薬物が切れたときの不快感(気分が落ち込む、体がだるいなど)を避けるために使う場合とがあります。前者の場合は、薬物の使い始めに見られやすく、後者は体が薬漬けになった場合によく見られます。
 どちらの場合も、薬物の効果を期待しての行動です。動物実験の結果、依存は人間に限らず生じることがわかっています。そして、依存に関する部分は脳にあることが解ってきました。
 具体的には脳の奥の部分にある、大脳辺縁系に依存する、脳内報酬系と言われています。つまり、依存は心の問題ではなく、脳に薬物が働いて起こる現象なのです。
 図で簡単に説明します。


脳内報酬系は脳の奥にあり、本能をつかさどる部位の近くにあります。人間の場合普段は、理性をつかさどる大脳でコントロールされています。
依存性のある薬物は脳内報酬系に直接作用します。薬物の使用を続けると、もはや理性では抑えられなくなります。
断薬すると、薬物に対する強い欲求が生じたり、離脱症状で苦しんだりします。そのため、ふたたび薬物を使用しようと努力することになります。
理性では抑えられない依存状態から脱するには、まず、薬物に対する欲求が生じても、断薬できる環境を作ることです。治療初期には医療機関が、後期にはそれに家族や自動グループ、そして仕事、規則正しい生活などが当てはまります。

覚せい剤

 問題になる薬物は多くありますが、ここでは覚せい剤、有機溶剤(シンナー)、幻覚薬、医療用薬物その他の四つに分けて説明します。
@覚せい剤
 覚せい剤で問題になるのは、依存の強さと精神病状態をつくることです。覚せい剤を使うと、気分が上がったり、疲れがとれたり、集中力がつく感じがします。
 この効果は個人差もあり、初めから感じる人もいれば、逆に初めは不快に感じる人など様々です。
 しかし、最初に不快を感じても数回使用するうちに快感に変わり、やめられなくなる場合が多いのです。
 精神病状態は使ってすぐに出現し消えていくもの(急性症状)と数週間、数カ月、ときには数年続くもの(後遺症)とがあります。後遺症には幻覚妄想が続くものや不安感、激しい気分の移り変わりなどいろいろあります。
 また、後遺症のひとつにフラッシュバックがあります。これは断薬しているのに、薬物を使用していた頃と同じ症状が不眠やストレスなどをきっかけに出現することです。
似た症状は飲酒や他の薬物を使用したときにも起こるときがあります。
 急性症状や後遺症は医療機関で治療を行う以外ありません。それでも後遺症の場合、完璧に治すのが難しい場合もあります。



有機溶剤

A有機溶剤
 次に有機溶剤の話をします。代表的なものにシンナー、ボンドがあります。
有機溶剤も強い依存を作る点では覚せい剤と同じです。しかし、急性作用は、むしろアルコールに似た酩酊(酔っ払った)状態を作ります。また、幻覚、妄想が出現することがあります。
 長期間使用すると、後遺症を強く残し、幻覚、妄想などの精神病状態が長く続きます。
また、有機溶剤自体の害はもちろんですが、他の薬物使用への入り口になる場合が多く、この点でも要注意の薬物と考えられています。


幻覚薬

B幻覚薬
 中心は、大麻(マリファナ)、LSD、MDMA(エクスタシー)などです。
これらの作用は幻覚や浮遊感といった感化の変化です。主に若者に使用されています。使用者の間では、他の薬物に比べて安全と思われているようですが、実際は、幻覚、妄想などの後遺症を残すこともあります。
日本ではそのほとんどが麻薬に指定されているので、厳重に処罰されます。


その他違法薬物

C危険ドラッグ
 一般に覚せい剤や大麻などの違法薬物とよく似た成分を含む薬物を指します。乾燥木片に化学物質を混ぜたいわゆる「脱法ハーブ」のほか、粉末・液体状のものが「バスソルト」「アロマリキッド」などの名称で流通しています。

化学成分は覚せい剤に似たカチノン系(興奮系)と大麻に似た合成カンナビノイド系(鎮静系)に分けられますが、従来の違法薬物と同等かそれ以上の催眠・興奮・幻覚作用などを引き起こす成分を含み、治療法の確立していない薬物も多いため、違法薬物以上に「危険」という指摘もあります。

違法薬物と化学構造の一部が異なっていることから薬事法の指定薬物の取り締まり対象から外れ、その脱法性から一時爆発的に流通しました。しかし現在は法整備と取り締まりの強化により、以前ほどの流行は見られなくなりました。



薬物依存症の治療について

<治 療 の 段 階>  
 1. 導 入 期 
   
治療に入るまでの過程です。この時期に、本人ならびに家庭に、このままだと状況が悪くなるばかりであること、依存症が病気であり、治療可能なものであることを知ってもらいます。
 2. 脱 慣 期 
   
この時期に中毒症状の治療と今後断薬を続けていくための教育を行います。
 3.断薬継続期  通院や自助グループの活動を通じて、実生活での断薬継続を試みます。

当院では、薬物関連の患者さんは、入院期間3ヵ月としています。これは、上記の脱慣期に当たります。また、再入院の半分は、退院後6ヶ月以内に集中すると言われています。
従って、退院後の外来通院や規則的な生活の継続、自助グループへの参加は大切と考え、退院後の外来通院を原則にしています。


ご家族の方々へ


薬物依存症の治療にあたっては、御家族や周囲の方達の協力が不可欠です。
しかし、どう対応すればいいのかわからないという御相談をよく聞きます。
そこで、目安となるような対応とその方法を記しました。

   A、本人に対する家族の対応の原則
    −本人に対する脅し、監視的・干渉的対応をしない
    −その場逃れの対応、あいまいな態度をやめる
    −不始末の尻拭いをせず、本人に年齢相応の責任を負わせる
    −性急な問題解決では無く、数年先を見据えた行動を検討する
    −病院など関係機関との連絡を密にして、家族だけで対応しないようにする

   B、そのための方法
    −家族が自分自身の考え方、感じ方に注目する
    −自分で受け入れられる限度を設定して、それを守る
    −自分の必要とすることや希望を話すことから始める
    −自分自身と他人(患者や他の家族など)を信頼する
最後に

 依存症からの回復に、意思の強弱は関係あるのかと、患者さんや家族によく尋ねられます。この場合の意思が、薬物を使用できる状況でも我慢するという意味なら、当てはまりません。
 油断すると薬物を使ってしまうかもしれないという危機感を持って、使いたくなっても出来ない状況に自分を置くことが何よりも大切なのです。